こんばんは。
あっという間にお久しぶりです。
今夜はなんとなく、先日(2017/11/11)訪れたお店を紹介しよう…。
11/11といえば、そう、ポッキーの日ですね。皆さん、今年のポッキーの日はどんな日を過ごしましたか。かわいいあの子とポッキーゲームした人もそうでない人も、なんとなくそわそわする、あるいは背筋が伸びそうな、そんな一日だったのではないでしょうか。
その日、僕はコーヒーの勉強をするために新橋にある「UCCコーヒーアカデミー」というところに通っていました。僕は小さな個人店が大好きだが、大手がバリバリやっている熱いお店も大好きだし、つまり、誰も知らない仙人の生き様を眺めるのも大好きだが、きちんと体系的に勉強をして、競い合う中で過ごすのも好きだ。コーヒーアカデミーでは本当に貴重でいい時間を過ごせて、何より一日に何杯何杯何杯もコーヒーが飲める(というか飲まないとやってられない)ので珈琲好きは天国(珈琲が苦手な人はおそらく地獄)……だったのだが、まあ、そんなお話も機会があればいずれ。
今夜紹介したいお店は、そのコーヒーアカデミーのお隣。
「上島珈琲店No.11」
上島珈琲店は、「日本独自の喫茶文化や空間を大切にした大人のための本格珈琲店」として2003年にスタート。そして今年の10/1(コーヒーの日)にその新コンセプトショップ「No.11」がオープンした。
ふむふむ? 新コンセプトとは…? 興味が湧かないはずがない。通常の上島珈琲店も落ち着いた雰囲気で素敵だが、ここは一味違うようだ。
近づいてみればよく解る。これまでの上島珈琲店が、いわゆるアクティブシニアをターゲットにした味や内装であるのに対し、こちらは少し若い人向けという感じがする。モダンでシンプルな内装は、コーヒーラウンジと冠するだけあって、まるでホテルや空港のラウンジのような雰囲気。だが、大人…というよりもオトナとでもいうべきか、少しばかり遊び心のあるオトナが、ノートブックを片手に、適度な緊張感の中でリラックスするような感じだ。
メニューは、ネルドリップにこだわった珈琲が目を惹くが、特にシングルオリジンが頂けるのが嬉しい。サードウェーブコーヒーなる言葉が囁かれ始めて久しいが、最近本当に、「素材本来の味」が見直され、追求されている。
夕陽のような温かい間接照明に浮かび上がる抽出器具や、バリスタの立つカウンターが、「ああ、俺は珈琲を味わうぞ……」という気持ちを、すぅーっと高めてくれる。アカデミーで一日中コーヒーを飲み続け、胃は限界に近かったはずなのに、それでも一服したくなる。珈琲好きの哀しき性か。何より、この日は奇しくも11/11。それにつけて、No.11。この店に来るには最高の日和だった。
注文はコロンビア・サンアグスティンと、ほうじ茶のフィナンシェにしてみた。
珈琲は紙のカップで提供される。見た目にはちょっとだけ味気ない気持ちもするが、そこはラウンジ。ノートパソコンなんぞ隣に置けば、そんなアーバンな雰囲気もいかにも絵になる。なにより「器よりも何よりも、とにかく味で勝負です」とでもいいたげな、エッジの利いた態度は、嫌いではない。ましてや、液面に浮かぶつやつやの泡をみれば、超一流の豆が丁寧にドリップされたことがよく解る。
ずずーっ……。
ああーうんまい……。
コロンビアの軽やかかつスモーキーな苦みが五臓六腑にしみ込む。
そして隣で待ち受けるほうじ茶のフィナンシェ。小ぶりながらもほうじ茶の風味と粉砂糖の甘みがしっかり活きておいしい。この組み合わせは大正解だ。
飲み終えてから、なんとなく、わびさびという言葉を思い出した。
紛れもない都会の真ん中、英語すら飛び交う、こんな新しい空間で、ひとり、わびさびする。日本人の珈琲、ここにありというものを見せていただいた気がした。
ちなみに。
店を出て歩くと、そこには東京タワーがそびえている。これもある意味、日本の原風景である。
さて、明日も背筋を伸ばして生きていこう。